11月30日 【ワークスペース】深澤孝史/美術家

深澤孝史(27/男) 美術家


①ワーク/スペースA…現在のアトリエや仕事場所について、またそれにいたるまでのこと


・ 2006年に一軒家を友人の高杉悦生とシェアしていたときは一室を作業場にしていて、豪快につかっていました。今は住居の一室を作業部屋として使ってはいますが、ほとんどパソコン仕事、軽作業です。なにか制作するときはほとんどが現地制作です。部屋を豪快に使っていた頃と制作の内容も変わっているように思います。


②ワーク/スペースB…現在の制作・表現・研究などの手法、またそれを選ぶまでのこと


・ 1人で作品を制作するということはあまりなく、誰かとの対話だったり、なにかしらのコミュニティの中で制作なりプロジェクトをすすめることがほとんどです。なので必然的に現地現場制作が増えている気がします。

・ もともとコミュニケーションや、共感、言葉や認識のズレなどに自分の意識が向いていて、その解決(解決のための活動というよりかは、すでに解決されている状況をつくる)を段階的に媒体を変えつ戻りつ試行錯誤してきているのかなと思っています。変遷をおおまかにたどると、①自分の中の問題(肉塊の着ぐるみつくったり)、②個人間の対話(羊羹問答やったり、すごろ句他さまざま〜)、③コミュニティや社会の捉え方やルールなど(たけし文化センターとか、とくいの銀行とかいろいろ)といった感じでしょうか。


③ワークス/ペース…作品・道具・プロセスなどから規定されるものはありますか?


・上記の通り、めちゃめちゃ規定されています。場なり、状況なり、そこの人との対話なりを通して、自分の問題と そこの問題がリンクしたときになんとか作品になったらいいなと思っています。

・ 最近はコラボワークというよりシェアワークといってみると自分の中ではしっくりきます。コラボだと二つの創造性がかけあわさって弁証法的に次の段階に進むイメージが強いのですが、シェアワークというと、1つの同じ作品でも僕からみたら僕の作品だけど、他の人からみたらその人の作品だったり、もしくは作品ではなく、別の仕事の何かだったりする状況で、デュシャンの「泉」一周して便器としてもつかっちゃうみたいなものでしょうか。作品に対しても、仕事によって自分の活動が作品に編集される場合もあれば、別の形になることもあると思います。

・ 2010年まで働いていたNPOレッツでやらせてもらった「うんこふみふみたかふみ文化センター」はとてもよい経験でした。作品なのか、コラボなのか、シェアなのか、対話の名残なのか、なんだかわからないけど、自分にとって大事なものを個人の価値のアーカイブとして資料展示しつつ、そこからいろんなものが派生しているような、「個展」でもありなおかつ「その場のための活動」でもあるというシェアワークな個人活動ができた。自分にとって必要な仕事なのでまたやりたいです。


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お知らせなどありましたら教えて下さい


● 取手アートプロジェクトのコアプロジェクト《アートのある団地》にて「とくいの銀行」という団地にかかわる人たちがとくいを預けたり引き出したりして流通させるプロジェクトを継続中です。とりあえず2011年度末までは継続しています。

● 越後妻有大地の芸術祭 小沢剛のかまぼこアートセンターに参加しています。2012年の越後妻有トリエンナーレに出品予定です。

● 12月、1月、2月と浜松市のアートスペース鴨江別館の一室をスタジオとして借ります。まだ詳細を考え中ですが、まとめたり、ひらいたり、でむいたりしたいと思っています。

by ochakann | 2011-11-30 19:31 | ワークスペースインタビュー集

【ちくちく地区:井野団地/宮田篤+笹萌恵】(取手アートプロジェクト/茨城)


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