1月5日 「としょ感と図書館」打ち合わせ

川口市のメディアセブン(川口市立映像・情報メディアセンター)で、「としょ感と図書館」の打ち合わせ。もともとはワークショップの企画だったのですが、話しているうちに展示もしっかりやることになりました。個展は「かんそう曲」以来、2年ぶりです。

展示の内容は「微分帖のプレゼンテーション」です。微分帖は一回でも遊ぶとそのやり方や、楽しみどころみたいなものが分かることが多いのですが、今までなかなかそれを資料的に伝えることにうまくいっていません。聞いてみるとメディアセブンは「7つのメディアを使える所」なのだそうなので、ぼくも7つくらいのチャンネルから微分帖をなんとか伝わるように発信してみよう、というのを展示のテーマにしました。

ぼくなりの7つのメディアは、ビデオ、図解、本(微分帖のための参考図書)、写真、展示そのもの、文章、絵、ということにしようと思っています。展示では、どうやら微分帖ってこういう本なんだなぁと思わせる「本だな?」と、イスといくつかの微分帖がくっついている「微分チェア」をつくります。

微分帖のための参考図書は、メディアセブンと空間的につながっている川口市立中央図書館からお借りする予定で、さらに今までの微分帖のハードカバー版「微分本」が図書館の新着図書コーナーに置かれる予定です。

さらにさらに、期間中のワークショップ「かわぐち詩律いどうとしょ感」で作られた「微分本」たちは、会期後も図書館での閲覧が可能な永久蔵書になる予定です。展示でワークショップを期待させたいし、ワークショップが展示をより良くなるように考えたいです。

期間中にイベントがあるのは「かんそう曲」に似ている。

個展「としょ感と図書館」は3月8日から4月11日の予定です。
予定ばかりなので、これからはっきりとしていきます。

メディアセブン
http://www.mediaseven.jp/

打ち合わせをしていたら、微分帖を思いつくちょっと前に書いた文章を思い出しました。もう2年も前だ。


ワークショップのこと

(ぼくのワークショップは、参加者をビルド・アップするためのものではないし、参加者が作ったものはぼくの作品になってしまうから、ワークショップとはいえないかもしれないが、日本語でも英語でも通りがいいので、そう呼んでいる。)

 これから忘れていくひとたちに、「君たちはきっと今からそれを忘れてしまうのだけど、それは大事なことだからいつか思い出してね」と言ってみることが、ぼくが子供を相手にしたワークショップの時にしようとしていることかもしれないなぁと、この間知り合いの振付家と話して思った。

 彼女によると10歳くらいまでの子供は体と心がひとつのような動きをするのだそうだ。うれしい時も悲しい時もかくれんぼをしている時も、体と心はひとつのように動いていて、きっとその中には人間が体を動かす上でとても大事な情報も含まれている。そしてたぶん、それと同じように小さい子供たちは美術を知らなくても美術の中の大事なこと、たとえば紙に線を引くと楽しいこと、紙を折ると楽しいこと、模様を作ると楽しいこととかを知っている、というか、説明される前から分かっているのだけど、大きくなっていく途中でそれが次第に恥ずかしくなったり、別のことが大事になっていったりして忘れてしまう。ぼくも紙に線を引くのは楽しいことだというのはずっと忘れないでいたけど、子供のときのように体をめいっぱい動かすととても楽しい、というのは、彼女のダンス・ワークショップを手伝うまで忘れていた。(だからたぶんぼくは他にもいろいろと忘れていることがあるのだろうと思う。)

 他に大事なことがどんどん出来ていってしまうから、そういうことのひとつひとつを大人になってもずっと忘れないでいるのはとても難しい。でも、これから忘れていく子供に「それは大事なことだからいつか思い出してね」と言うことは、そんなに意味のないことではないような気がしている。そのほうが、大人になってからふとしたことで思い出した時に、そのままにせず時間をかけて思い出してくれるのではないかと思うからだ。そして、ぼくは美術のことを考える人間だから、そういう場にたくさん立ち会いたくていろいろなことをしているのかもしれない。
                             
宮田篤 Dec.2007
by ochakann | 2010-01-05 01:30 | ことばの壁

【ちくちく地区:井野団地/宮田篤+笹萌恵】(取手アートプロジェクト/茨城)


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